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遺言書は、ご自身の財産を「誰に」、「どのように」承継してもらうかを明確に示すための書面です。ご家族の間で起きやすい相続トラブルを防ぐための有効な手段となります。一般的に利用されているのは、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類です。
以下で、それぞれの特徴をご案内いたします。
自筆証書遺言は、遺言者ご本人が全文・日付・氏名を自筆で書き、押印して作成する遺言書です(民法第968条)。通常は財産目録を添付しますが、財産目録はパソコンで作成したり、預金通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を添付することができます(各ページに署名押印が必要です)。費用を節約でき手軽に作成できることがメリットといえますが、反面、紛失・改ざん・方式不備により無効となる等のリスクがあります。
そこで、令和2年7月10日から「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。これは、遺言者が作成した自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に預ける制度で、原本は遺言者の死亡後50年間、画像データは150年間保管されます。保管申請の際には、保管申請書、遺言書本体、本籍の記載のある住民票の写し、本人確認書類、手数料3900円が必要です。
公正証書遺言は、公証役場において公証人が遺言者の意思を聴取して作成する遺言書です(民法第969条)。法律の専門家である公証人が関与するため方式不備による無効のリスクが極めて低く、原本が公証役場で半永久的に保管されるため、最も確実な遺言方式とされています。作成には証人2名(法定相続人は、証人となることができません。)の立会いが必要で、財産の価額に応じた手数料が公証人手数料令によって定められています。必要書類としては、遺言者の本人確認書類(印鑑証明書など)、相続人との続柄がわかる戸籍謄本、財産を承継する相手の住民票の写し、不動産の登記事項証明書および固定資産評価証明書、預貯金等の資料などが挙げられます。
1.特に用紙の指定はありませんが、ご自身による全文・日付・氏名の自書と、押印が必要となります。訂正箇所がある場合は、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して署名し、かつ、その変更の場所に押印する必要があります。
2.財産目録を添付した場合には、各ページにご自身で署名押印をします。
3.完成した遺言書は、ご自身の管理のもと保管します。弁護士や司法書士、信託銀行等に保管を依頼する場合には手数料がかかります。
1.法務局指定の様式(用紙はA4サイズ、余白の指定あり)に従って、ご自身で遺言書を作成します。
2.保管の申請先となる法務局を、住所地・本籍地・所有不動産の所在地のいずれかから選びます。
3.保管申請書を作成し、法務局に予約のうえ来庁します。
4.遺言者ご本人が窓口でお手続きを行い、法務局職員(遺言書保管官)が方式の外形的な確認を行ったうえで、原本とデータが保管されます。
5.保管証が交付され、お手続き完了となります。
1.遺言の内容(誰に何を遺すか)をあらかじめ整理します。
2.公証役場に連絡して打ち合わせを行い、必要書類を集めます。
3.公証人が遺言書の原案を作成し、内容を確認のうえ調整します。
4.作成日に証人2名とともに公証役場に出向きます(病気等で外出が難しい場合には、管轄区域内であれば公証人の出張も可能です)。
5.公証人が遺言者の口述に基づいて作成した内容を読み聞かせ、遺言者と証人が署名押印して完成となります。
自筆証書遺言は手軽さが魅力ですが、日付を「令和7年7月吉日」などと曖昧に記載すると無効となります。また、財産目録以外を自書しなかった場合や押印を欠いた場合も無効です。そのため、無効にならないかどうかを入念にチェックする必要があります。
法務局の保管制度を利用しない自筆証書遺言は、遺言者の死亡後に家庭裁判所での「検認」手続きが必要となり、相続手続きを開始するまでに1~2か月程度かかることがあります。保管制度を利用すれば検認は不要となるため、相続人の手続き負担は大きく軽減されます。
ただし、保管制度を利用しても、法務局が遺言書の「内容」の有効性までを保証するわけではありません。遺言書の内容についてご不明な点があれば、事前に専門家へご相談されることをおすすめします。また、相続人の遺留分(法律で保障されている一定の相続人の最低限の取り分)を侵害する遺言は、後日の紛争の火種になる可能性があるため、内容の検討は慎重に行うことが大切です。
公正証書遺言についても検認手続きは不要となりますが、費用と手間がかかる点は否定できません。なお、公正証書遺言では作成までに時間がかかります。そのため、緊急を要する場合などには、ひとまず自筆証書遺言を作成したうえで、後日、あらためて公正証書遺言を作成するということも行われています。これを実務上「とりあえず遺言」と呼んでいます。
最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
以上のように、遺言書の作成にはいくつもの注意点があり、どの方式を選択するべきかもケースバイケースなため、正確を期すためにも専門家へのご相談をおすすめいたします。
当事務所の司法書士は、10年以上の実務経験を持ち、豊富な遺言書作成サポートの経験がございます。
ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。
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